天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
天は慈悲深い天女を殺した我々に天からの遣いは未来永劫送らないと決め、長かった天界と魔界の戦争は終結した。
では、春花は?どうなった?
一族と秋月を安全なところへ移動した後、帰ってこない妻を私は探しに行った。
そこで私は妻の姿を見つけた。
「春花!!!」
まだ生まれたばかりの子供をかばうように抱き、身体には矢が刺さり翼は無残な姿だった。
「春花!春花!!」
「陶武…」
無残な姿の妻を抱きしめると、うっすらと目を開けて私を捕らえる。
「何があった!なぜそんな怪我を!?」
「陶武…よく聞いて。この子を私たちの子供として育てるのよ。決して天界と魔界の争いには巻き込まないでっ」
そういうと子供を私に託した。白銀の翼の女の子だった。
「こ、この子は…」
「この子は白蘭。この世界にとって、とても大事な子よ。決して死なせずあなたが守るの。お願い!」
「ああ、必ず」