天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


決死の思いを感じ返事をすると、春花は安心したように眠りにつく。


「だ、だめだ!必ず助ける!!」

「陶武…私がなぜ、あの子に秋月と名付けたかわかる?」

「今はそんなことはいい!蘇生術で君を助ける!!」

「私が…春花であの子が秋月。それをあなたが見守る。…私とあの子がいれば春花秋月をあなたがずっと見れるからよ。…」


蘇生術を何度施しても傷はふさがるどころか、キラキラと春花の姿が薄くなっていく。


「だめだ!春花!!」

「陶武…秋月、愛してるわ」


最後にそう言い残し春花は笑って消えた。

後には泣き叫ぶ私と白蘭が残ったのだった。


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