天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「白い羽はお前が生まれたときに身に着けていた。それに私の風切羽を付け加えた」
風切羽を渡すことは鳥族にとって特別な意味を持つ。飛ぶときに必要な風切羽を多く切ってしまうと飛べなくなってしまうからだ。
「父上っ」
思わず父に抱き着くと父も優しく抱きしめてくれる。
「白蘭、お前は自慢の娘だ。愛している」
「感謝します。父上。私も父上が大好きです」
ずっと父に嫌われていると思っていた。そんな思いはこの瞬間によってすべて覆される。
「では、父上・兄上、魔宮へ行ってまいります」
そして私は強い気持ちで魔宮へ向かった。