天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
説明の速さにすでに頭がぐるぐるする。
なのに皇太子に会うなんて…粗相しないようにしないと。
扉が開かれ皇太子の元に通される。
「「「皇太子殿下に拝謁します」」」
「よい。顔をあげよ」
顔をあげると昨日みた、あの男が座っていた。
やっぱり、あの男が皇太子なんだ。昨日の無礼を忘れていますように。
そう思ったら皇太子と目があい鼻で笑われた。
あの無礼をしっかり覚えてるようだ。
「今回新夜祭で選んだのは、炎狐族の蘇芳(すおう)と璃桜(りおう)。黒豹族の香林(こうりん)。八咫烏一族の白蘭の四名だ。これからは皇太子の私に従順に誠実に仕えるように。よいな」