天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
返事をすると雪梨様は満足したように去っていった。
明日まで…ね…。
自分の部屋で勉強してもいいけど、こんな書物を読んでいることが知られたらまた馬鹿にされるわ。特にあの双子には。そうだ虹彩樹の庭で勉強しよう。
「いつにもましてここは綺麗ね」
はじめて見た日と同じく虹色の花が咲き誇っていた。
木を背に座り書物を開く。しかし半刻たつ頃には内容に飽きていた。
「掟が多いのよ…訳が分からないわよ」
「何が多いって?」
突然声がして振り向くと、あの皇太子が立っていた。
「皇太子殿下」
慌てて礼を取ると、皇太子が吹き出した。