天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「この中から好きな味を選んでください。今度からその味で入れますので」
「また、皇太子に無礼な態度をとるのだな」
「そもそも、あなたが昨日二人の時は普通に話せって言ったんじゃない!皇太子殿下は頭弱いんですかー?」
「んなっ!本当に無礼なやつだな。もうよい墨を磨れ」
「はいはい。次は墨ですねー」
皇太子に言い返したおかげで少し気分がよくなった。
墨を磨ると皇太子が筆をもってサラサラと文字を書いていく。
ずいぶん綺麗な字を書くのね。わがままでも皇太子ね。
「おい。近いぞ」
字を書くのを夢中になって見ていたら、ずいぶん近づいていたようだ。