天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
天界の第二皇子
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【天界】
母上っ。行かないでください!母上っ
「月影(げつえい)様…月影様!」
誰かの声ではっと目が覚める。
「月影様っ。またうなされてましたよ?大丈夫ですか?」
枕元から小さな兎が顔をだし心配そうにこちらを見ている。
「ああ、起こしてくれてありがとう。兎月(うづき)」
「心配しましたよ」
目を潤ませて言うこの兎は従者兼天界で私の唯一の味方の兎月だ。
法術も弱く人の姿も保てぬこの兎は私が幼少の頃、天女様から与えられた友だ。
「兎月。それよりもその足の怪我はどうした。また他の者にいじめられたのか」
「い、いいえ。これは…その…」
「隠さないで見せなさい」
【天界】
母上っ。行かないでください!母上っ
「月影(げつえい)様…月影様!」
誰かの声ではっと目が覚める。
「月影様っ。またうなされてましたよ?大丈夫ですか?」
枕元から小さな兎が顔をだし心配そうにこちらを見ている。
「ああ、起こしてくれてありがとう。兎月(うづき)」
「心配しましたよ」
目を潤ませて言うこの兎は従者兼天界で私の唯一の味方の兎月だ。
法術も弱く人の姿も保てぬこの兎は私が幼少の頃、天女様から与えられた友だ。
「兎月。それよりもその足の怪我はどうした。また他の者にいじめられたのか」
「い、いいえ。これは…その…」
「隠さないで見せなさい」