天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
席に座る月影に酒を注ぎ渡すと笑って飲み干した。
「どうだ。天界は?変わらずか?」
「ああ。いつも通りに静かに暮らしている」
「兎はどうした」
「兎月は寝ている。足を怪我していたのでな」
「またか。今度連れてこい。火炎術を教えてやる」
「鳳凰のそなたが兎に火炎術か。習得できれば天界で兎月は人気者だな」
二人で冗談を言い酒を飲む。
幼い頃と変わらずこの時間はとても楽しく心地よい。
幼い頃から月影を知っているから法術の揺れもすぐにわかる。
「何日だ?」
「ん?何がだ?」
「何日食べてない?」
「あー…」
月影は視線をそらし誤魔化す。