天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「腹がすいたら新月でなくてもすぐに来い。よいな」
「すまない」
「謝るな。礼を言え」
「ありがとう。紅蓮」
それからたわいもない話をいつも通りした。
「何かいいことでもあったか?」
月影が聞く。
「なぜだ?」
「今日はいつもより上機嫌だ」
「んー...一人面白いやつが侍女で入った」
「新夜祭でか?では魔后様に感謝せねば」
「違う!自分で選んだのだ」
「新夜祭なのに自分で選んだと?」
「新夜祭はそもそも自分で選ぶものだ。母上の決めた者も入れたが、気に入った娘がいたから選んだのだ」