天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「何を言う。今日は新夜祭だ。魔界の女子が全員集まる。明明、そなたも例外ではないのだ。綺麗にしていきなさい。それに私は受け取ってほしいのだ。」


「そうよ。明明、兄上に遠慮しないで受けとって」


私も後押しすると、明明は簪を受け取り笑顔になった。


「感謝いたします。秋月様」


「さあ、もう行きなさい。部屋で皆が支度をしている。」


「「失礼いたします」」


兄上と別れて貰った簪をさしあった。


新夜祭では各一族全員でまとまって皇太子殿下に拝謁する。そのため一つの部屋に八咫烏一族の女子が集まっているのだ。


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