天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「ほう。そなたがあの白蘭か」


突然顔を扇子であげられる。それを玲心が覗き込んで品定めする。後ろでは双子が笑っていた。

なんという屈辱感。


「どんな美しい女子かと思ったら普通ではないか。紅蓮様も気まぐれで侍女になさったのだろう。蘇芳、璃桜、そなたたちが言うから見に来たが無駄足だったようだ。」


パッと扇子を離され転びそうになるのを耐える。

玲心が冷ややかな目で見ると双子から笑顔が消えた。

そして玲心は去っていった。

確かに綺麗な人だったけど怖かったわ。


「白蘭」

「は、はいっ!」


ビクッと身体を震わせて咄嗟に返事をした。



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