天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
部屋に入ると一族の女子が着飾り騒いでいた。
「その髪飾り貸してくれない?」
「嫌よ。皇太子様に選ばれるのは私なんだから」
「皇太子殿下は才色兼備で戦では百戦錬磨のお方よ」
「侍女に選ばれれば殿下の寵愛を受ける機会があるかもしれないのよ」
「寵愛ってことは後宮に入るのも夢じゃないってこと?」
「選ばれたいわ」
ざわざわとする部屋で事の重大さを知る。
「皆すごいですね。お嬢様」
目をまるくする明明と私。
「そうね。私は興味ないけど。でも明明とは離れたくないからどちらかが選ばれてもついてきてね」