天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
仕方なく紅蓮のところへ行き今日も茶と墨当番になった。
墨を磨りながら、お腹すいたなーと思っていたら目の前におにぎりが差し出された。
「食べろ」
「え?」
「腹の音がうるさくてかなわん。食べて止めろ」
「…あ、ありがとう」
食べようと受け取った。
「…それにしても歪なおにぎりね」
「なんだと?」
「それにしょっぱい」
「おい。つくったやつに失礼だろ」
自分で作ってもいないのになんでそんなに怒るのよ。
あれ?このおにぎり若干焦げているような…。
まさか…。
「まさか、紅蓮がつくったの?」
「悪いか」
「いつ?なんで?」
「朝方だ。朝からお前の腹の音が聞こえて迷惑だったぞ」