天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
「父上にもだいぶ会っていないわね」
「会いたいか?」
「当たり前でしょ」
「では、休暇をやろう。会いにいくといい」
「ほんと!?でも八咫烏一族の村はだいぶ遠いから一か月程は休暇を貰わないと」
真の姿ではなく飛行術ならそれくらいはかかる。
「そんなにか!?」
「自分で言ったんじゃない!」
「そんなにかかるなんて思わなかったのだ」
魔宮周辺に住んでいるのはほとんど貴族よ。
ほんと皇太子なんだから。八咫烏一族の身分位わかってからいいなさいよ。
「あー、他の望みはあるか?」
冷めた目で見ると紅蓮は慌てて聞いてきた。
そうだな…。あっ…。