俺だけのものに…
「海里おっは〜」
教室に入ると幼なじみの智希が俺の所に駆け寄ってくる。
「なぁなぁ!今から1年見に行こーぜ!
かわいーこいっぱいいるらしいぞ〜」
「あぁ」
超ニヤニヤしながら言う智希にちょっと…いやかなり引いたけど、特に断る理由もないし行くことにする。
1年の校舎まで来ると他の学年の男子がチラホラといてみんな考えることは同じなんだなと苦笑い。
適当に教室の前まで行って中を覗く。
「なぁ!海里!
あの子可愛くね?」
「あ?どれだよ」
「ほら、あの
髪長くて茶髪のスカート短くて飴舐めてる子!後ろの子と話してる!」
智希の指差す方を見ると確かにいた。
けどそれよりもそいつと話してる子
黒髪のボブでかなりの小柄
二重の大きな目にぷっくりピンク色の唇
……すげぇ可愛いと思った。
こんな遠くからじゃなくてもっと近くで見たい。
声を聞いてみたい。
もっと色々な表情を見たい。
俺だけに笑いかけて欲しい。
初めてそう思う子に出会った。
きっとこれが一目惚れって言うやつだ。