社長、それは忘れて下さい!?
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龍悟の部屋を揃って出ると、駐車場にあった彼の愛車の助手席に乗り込む。車が発進してしばらく経った頃、龍悟が思い出したように『あぁ』と呟いた。
涼花が龍悟の顔を見上げると、少し不機嫌そうに
「今日の合コン、行くなよ」
と言い含められた。
そんな馬鹿な、と思いながらも、ちゃんと言葉で否定する。
「行きませんよ」
会社を休む分際でその日のうちに合コンなど行くはずがない。それに身体が思うように動かないのだから、行けるはずもない。そもそも合コンではないと言っているのに。
エリカに謝罪と連絡をしなきゃ、と思い、バッグからスマートフォンを取り出す。ふと真っ暗になったスマホの画面に龍悟の横顔が映ったので、涼花は何となく龍悟の横顔を盗み見た。
合コンに行くな、と窘める声が鋭かったので、てっきり怒っているのかと思っていた。だが見上げた龍悟の横顔が想像よりもずっと上機嫌だったのが、なんだか少しだけ不思議に思えた。