運命が悪いのか、それとも……惚れたから悪いのか
そして翌日。
きた、ついに。
私と南輝くんが付き合っている。
そのことを私の家族と南輝くんの家族に打ち明ける、その日が。
今、私の家族は南輝くんの家にいる。
ご飯を食べ終え。
みんなでお茶をしながら楽しく話をしている。
私の家族は、お母さんとお父さん、お兄ちゃんと私の四人家族。
お兄ちゃんは南輝くんと同級生で高校一年生の私より二学年上の高校三年生。
南輝くんの家族は、お母さんとお父さん、中学三年生の妹と南輝くんの四人家族。
今日の食事会も私の家族と南輝くんの家族は全員集まっている。
用事がない限り毎回、誰一人かけることなく全員参加している。
私の家族と南輝くんの家族は本当に仲が良い。
……だからなのかな。
やっぱり緊張する、私と南輝くんのことを打ち明けるのが。
生まれたときからずっとずっと家族ぐるみで付き合っていて、もちろん私と南輝くんが成長していく姿も知っている。
そんな家族たちが私と南輝くんが付き合っていることを知る。
それは……なんだか照れてしまう。
そんな気持ちになりながら南輝くんのことをちらりと見る。
南輝くんは楽しそうにみんなと話をしている。
そのとき。
南輝くんが私の視線に気付いた。
南輝くんは何を感じたのか。
私に目で合図したあとスマホを操作し始めた。
そのすぐ後。
私のスマホが小さく震える。
スマホを取り出して見るとメッセージが受信されている。
確認すると南輝くんからで。
【今、伝えるチャンスかも俺たちのこと】という内容だった。
そのメッセージを見たとき、より激しく緊張して心臓がバクバクと音を立てている。
やっぱり今日じゃなくても……。
緊張し過ぎているからか、そう思ってしまう。
だけど南輝くんと約束した、お互いの家族に打ち明ける。
だから。
出す、勇気を。
そう思いながら南輝くんに『うん』と小さく頷いた。