運命が悪いのか、それとも……惚れたから悪いのか



「あの、
 今日は報告したいことがあります」


 南輝(なみき)くんの言葉に皆は「どうしたの、急に」と言って驚いている。

 そんな皆のことはお構いなしに南輝くんは私の隣に並んだ。


「単刀直入に言います。
 俺と碧海(あみ)は付き合っています」


 言った、ついに。

 南輝くんが。
『俺と碧海は付き合っている』と。


 南輝くんの言葉を聞いて。
 お兄ちゃんは「そうなのか」と驚き。
 南輝くんの妹の真愛(まい)も「そうなの⁉」と良いリアクションで驚いてくれた。

 二人とも予想通りの反応。
 それが少しだけ嬉しい。
 だけど照れもする。


 そんな中。
 私の両親と南輝くんの両親が。
 なぜだろう。
 何とも言えないような表情(かお)をしている。

 それは、どういうふうに表現すればいいのか。
 深刻、というのか、なんというのか。

 私と南輝くんのことを打ち明けて、なぜそんな表情(かお)になるのか。
 不思議に思うのと同時に不安にもなってくる。

 驚くなら想定内。
 だけど、それ以外の反応は全く考えていなかった。

 まさか、そんな反応をするなんて。


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