キャンディーと恋で私を溶かして。
「あ、相川君。起きてください!」


「…ん。もう?早くない?」


「あと5分で授業始まっちゃいます!」


「ん。分かった」


というか、私を呼ぶ前も寝てたんじゃ。

どんだけ寝るの好きなんだろう。



「…あ、あとこれから敬語禁止ね」



「わ、わかりました。頑張る…って、これからって何!?」


飴貰った分のお返しは今したはず。



「…これあげる」


そう言って相川君はまた何かを投げてきた。


綺麗に宙を舞って私の手に入ってきたのは、メロン味のキャンディー。


「…それあげるから、またお返しちょうだい」



それだけ言い残して相川君は家庭科室から出ていってしまった。


驚くことばっかりだったけど、これからも相川君と会えるんだって思うと何か嬉しい。


これが、いわゆる…恋?

いやいや、まだ2回しか会ってないし!

でも相川君にドキドキしたのは確かだし…。

恋したことないから分からない…難しいよぉ。




それからは結構な頻度で相川君に呼び出されて、その度にドキドキして。



気がついたら1年はあっという間で、私は2年生になってた。


分かったことは、相川君は1年生にして学年1のモテ男であること。

常に寝ることが好きなこと。

そして、女の子の中では私としか話そうとしないこと。


また、神様の気まぐれか、2年生になって相川君と同じクラスになってしまったのだ。
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