キャンディーと恋で私を溶かして。

‎✿‪✿‬︎✿


「おはよう!古都」


「おはよう、みのりちゃん」


「あら、今日も隣には女子が集まってるのね。相変わらず相川は寝てるけど」


席替えで隣になってしまった相川君はいつも寝ている。


寝てる顔も可愛いからさらに注目を浴びて。


私の周りの男の子は女の子と話すの楽しそうなのに、相川君は話したがらない。


ここまで来ると、逆に大変そうに思えてくる。


モテる男の子は大変なんだなぁって。


今日も沢山女の子が集まってる。


毎日といってもおかしくないほど相川君の周りにはいつも女の子たちがいて声援が飛び交っている。



それなのに、相川君は寝ているか、起きてても頷くぐらいのコミュニケーションしか取らない。


だから、毎回女の子は諦めて自分の席に帰っていくんだけど。


ここから私の毎朝の日課が始まる。


「広瀬さんおはよう!」
「今日はもう相川君とお話した?」
「やっぱりどうやって仲良くなったのか気になる〜!」



相川君の後に女の子たちのほとんどが私の席の周りに集まってきて毎朝事情聴取が始まるのだ。


相川君が唯一、私と話すのをみんなが見ているから私から色々なことを聞こうという作戦らしい。


私は人見知りがすごくて仲良くなるのに時間がかかっちゃうから、最初は怖かった。


中学校まで友達は少なかったから、女の子に囲まれるなんて想像もしてなくて。


こういうのはいじめに発展するかもしれないから気をつけなってみのりちゃんも心配してくれたけど。


そんなこと全然なくて。


私みたいな教室の隅っこで生きてる人間にも、相川君以外の事でもたくさん話しかけてくれて仲良くしてくれてるのが伝わるから。


本当に良い人たちなんだなぁって。
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