キャンディーと恋で私を溶かして。
そんな彼のことを好きになってしまったのは高校1年生のとき。
暖かい春の光の下でみのりちゃんとお昼ご飯を食べていて。
話題が部活のことになった。
「古都は何部に入るか決めた?」
「うん!クッキング部に入ろうと思ってるの。お菓子作りたいなぁって」
「いいじゃん!古都は甘いの好きだもんね。
でも古都がクッキング部に入ったら元々可愛いのにさらにモテちゃうわね。…変な男が寄らないといいけど」
「そんな!私なんて可愛くないからクッキング部入ってもモテないよ!安心して!」
みのりちゃんは私の何を見てそんなに褒めてくれるんだろう。
みのりちゃんはスタイルの良い美人だけど、私は背の低いへんちくりんなのに。
「あんた毎日鏡みてる?ちゃんと自覚した方がいいわよ。自分の可愛さ」
「ちゃんと見てるし、自分の可愛くなさは自覚してるから大丈夫!」
「…あぁもう。鈍感なとこも可愛いけど。この学校1の天然美少女で高嶺の花になってるの気づいてないんだろうなあ」