金曜日はキライ。


昨日常盤くんと会った後どうなって千昂くんと仲直りしたのかとか、そういうの、詳しく聞くことがなんでかできない。

千昂くんとの話を深く聞いてあげられたことがない。日葵は自分から話すのがむずかしいんだ。本当はわたしが聞いてあげたい。聞きたい。もっと親友らしくいたいのに。

日葵のこと大好きなのに。


「電話の声が似てるって言ってた。いつの間に仲良くなってて安心した」


そう話してる横顔はちゃんと本心を言ってるようだった。


常盤くんが日葵にわたしの話をしていることも驚いた。

もしかしたらわたしだけが、縛られているのかもしれない。


「千昂とうまくいかない日が続いて、なんとなく清雨に話したの。もう無理かもしれないって。…それはおれにじゃなくて千昂に話すべき言葉だって言われたよ。情けないよね」


常盤くんはどんな気持ちで日葵の話を聞いたのかな。


「前に決めたことがあったんだよね。次に恋をするなら、絶対自分の気持ちは逐一相手に伝えようって。あきらめちゃだめだって」


日葵はどんな思いで常盤くんに話したんだろう。

どうして日葵は千昂くんを選んだんだろう。



「いまさらだけど…聞いてもいい?」


ふたりの間のこと、何も知らない。知らなくていいことなのかもしれないけど、わたしは日葵の親友でいたい。常盤くんのためにどうにかなりたい。

だから、勇気をちょっとは出さなくちゃ。

このままでいいなんて思ってない。


首を傾げてる日葵の目を見る。


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