金曜日はキライ。
あれ、もしかして、けっきょく常盤くんはやる流れ…?
「茉幌えらいねえすごいよ、わたしも手伝うね!」
「あ、うん、ありがとう…」
けっきょく黒板には和央先生の手で常盤くんとわたしの名前が並べられてしまった。
うそでしょう…ぜんぜん意味なかった…!
次の日の放課後からすぐに学園祭実行委員の集まりがあって常盤くんに話しかけられた。心臓が爆発しそうだ。成り行きだったけど、これってわたしにとっては…ラッキーなんじゃないかなあ。
「ごめんね常盤くん…」
「え、なにが?」
「いや、わたしきっと役立たずだし…先にあやまっておこうと思って」
けっきょく実行委員にさせちゃったし。
廊下を歩きながら言うと常盤くんはけらけらと笑った。
「実行委員、代わってくれようとしてたんだって?」
「えっ」
なんで知ってるの?
「志保梨が教えてくれた。実行委員が男女2人制って和央に言われた時のショックを隠しきれてない露木がかわいかったって言ってたよ」
志保梨ちゃん…なんてことを。かっこわるい話を知られちゃったじゃないか。
なんて思ってたら頬をつねられた。右側。
突然のことにびっくりしてるとまた笑われた。なんだかよく笑ってくれるなあって思う。
「ありがと。うれしかったから役立たずとかもう思うなよ」
役に立たなくても、何もできないわたしでもいいよって、言ってもらってるみたいな気分になる。
頬から手が離れた。
恋しくて追いかけてしまいそうだった。
むねがいっぱいだよ。
常盤くんがいる。土日以外毎日会える。そんな日々がまた始まったことを実感して泣きそうになった。