金曜日はキライ。
自分のかっこわるさをさらけ出してる。
はずかしくて、滑稽で情けない。
けど、弓くんには日葵のこと間違ったように覚えてほしくないんだ。
「この服ね、幼稚園のお遊戯会で着た衣装で、この妖精になるのがふたりの夢だったんだ。本当はあのころと同じでわたしがきいろを着るはずだった。でもあのころ水色のほうが着たくて、けど日葵も水色を着たくて、譲ったことがあるの。わがままを言って日葵に嫌われたくなかった。それなのに日葵は今日わたしにあやまってきたの。水色を譲ってくれてありがとうって、今日は水色を着てって…」
うまく話せない。言葉も順番もめちゃくちゃで、あきれたっていいくらいなのに、弓くんは相槌をうつ。
きみのようになりたい。
「妖精になりたかったわけじゃなかったの」
日葵のことが大好きなんだ。
でも今は常盤くんのこと、一番大切にしたいんだ。
だけど切り捨てるなんてできない。できないんだよ。そんなわたしはダメなやつかな。
「劇の役みたいに日葵と本当に双子の姉妹になって毎日朝から夜まで一緒にいられたらいいのにって思ってたの。そうしたらどんなことがあっても関係はなくならないでしょう?バカみたいだけど本気で夢見てた。そのくらい大好きな子なの」
親友なんて、もしかしたらなくなっちゃうかもしれないと思ってた。
今だってそう。
泣かせてしまった。秘密にして、傷つけた。
反対の立場だったらわたしも日葵みたいに…ううん、もっと早い段階で、確実に、無理やりにでもその秘密を暴こうとしていたような気がする。
日葵はきっとずっと我慢してくれていた。いつかわたしから話すことを待ってくれていた。