金曜日はキライ。
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この、好きだって気持ちを日葵に話したら、もう常盤くんの気持ちが叶う日は来ない。
それは嫌だって思ってた。わたしのせいで常盤くんが苦しむことだけは嫌だった。
だけど弓くんはそんな気持ちにけっこう厳しくて。イイコぶんなって。わたしにぴったりな言葉すぎて泣けてくる。そんなこと言ってくれる人、弓くんしかいないよ。
そういう存在を大事にしたい。
「やばいね、これ」
「…りくちゃん。隠ぺいしよう…」
目の前に床に落ちたグラスや食器。トレンチを持ったりくちゃんとわたし。お店の裏に響き渡ったつんざくような大きな音。
「弓きゅんが来る前に…急ぐのだまほちゃんまん!」
りくちゃんがほうきとチリトリを取りに走って行ってしまった。その間にとりあえず、大きい破片だけでも集めておこう。やってしまった。
「何やってんだよおまえら…」
そんな低い声が後ろから聞こえて心臓が止まりかけた。びっくりした。もっていた破片をわあっと落としてしまった。
りくちゃん、残念ながら弓くんに見つかっちゃったよ…!
「茉幌、破片触んな」
「でも…っわたしがぼうっとしてたらりくちゃんとぶつかっちゃって、片付けた食器とか割れちゃって…だからりくちゃんは悪くなくって、」
「指…血出てる」
「え、わっ、ほんとだ…ごめ…」
そそっかしくて、何にもうまくできなくて、自分が嫌になる。そんな時がたくさんある。
だけどそのたび誰かが拾ってくれた。支えてくれた。優しさをくれた。