金曜日はキライ。
きっと、わたしの掃除当番の時はわたしがやるんだろうな。みんなそうだから。
先生に預けられた補習組へのプリントを近くの机に置いてホウキを取り出す。
他の掃除当番はサボって帰っちゃったんだ。そう思うと、用事があったのに黙って帰らなかった志保梨ちゃんはえらいなあ。
掃除当番なんていつもあってないようなもの。きっと昨日もまじめにやってなかったんだと思う…だってとっても汚いもの!
毎日するのはさすがに嫌だけど、掃除はわりと好きなほう。というより、始めたらとことんやりたくなってしまう。
窓側の隅の方からホウキをかけていく。徐々に内側にとステップ。一箇所、掃除用具入れがある後ろの方に教室のホコリや紙くずを集めていく。
ずっと下を向いてたから首が痛くなってきた。
和央先生が首をまわしていたのを思い出して、わたしも、と顔を上げた時だった。
「あれ、今日露木たちの班、当番だっけ」
教室に入ってきた人に、心臓がどきりと鳴った。
「と、常……」
「え、なんで掃除してるの? 今日茉幌の当番じゃないのに!」
「え、ごめん露木、気づかなくて」
「一人じゃん。手伝うよ、ほろちゃん」
もう帰ったと思っていた小学校からの親友、駒井 日葵とその彼氏の倉本 千昂くんが後から入ってきた。
そして、最初に入ってきたのはクラスメイトであり千昂くんの親友の、常盤 清雨くん。
……びっくりした。