Don't let me go, Prince!
弥生さん、ズルいわよ。こういう事を私に選ばせようとするなんて……貴方だって私がどうして欲しいと思っているのか、本当は分かっているのでしょう?
「弥生さんの、意地悪っ……!」
弥生さんの問いに応えられなくて、潤んだ瞳で弥生さんを睨みつける。だって、言えないもの、「弥生さんに脱がせて欲しい」なんて。
「渚のそういう困った顔も、私は好きですよ。可愛くて、もっと……困らせたくなる。」
弥生さんの言葉に私は吃驚してしまう。まさか弥生さんがそんな事を言うとは思わなかったから。
弥生さんは戸惑う私の顔を見て、クスリと笑った。
「渚の言う通り、私は意地悪な男ですからね。でも……渚から嫌われたくないので、これ以上は止めておきます。」
弥生さんはそう言ってそっと私の身体を抱きしめてくれた。
弥生さんにはまだまだ私の知らない一面がありそうで、これからの事を考えるとドキドキするわ。
「今日は私が脱がせます。いいですね、渚?」
私は弥生さんの問いにコクンと頷いた。弥生さんの長い指が私のワンピーズ型のパジャマのボタンを1つずつ外していく。ボタンをすべて外されパジャマを床に落とすと、弥生さんは私をゆっくりとベットへと押し倒す。
ブラを付けたままの胸の谷間に弥生さんは顔を埋める。そんな姿をちょっとだけ可愛いと思ってしまう私。そっと弥生さんの後頭部に触れて、ゆっくり撫でてそのサラサラの髪の感触を楽しむ。
すると胸の間にチクリとした痛み。弥生さんてばもしかして……
「渚は私のものだという印です。この印が消える前にまた同じように付けさせてもらいますね。」
白い肌に真っ赤な痕が付けられている。
弥生さんは顔を上げて私の胸につけたキスマークを確認すると満足そうな顔をして、指でなぞっている。