Don't let me go, Prince!
「弥生さん、ズルイ……私だって……」
私だって、貴方は私だけのものだって言って回りたいくらいなのに。
女性に囲まれて仕事をしている弥生さんの事のことを心配してないわけじゃないですからね。
「私だって……なんです?もしかして、渚も私にキスマークを付けてくれるのですか?」
てっきり面倒だと思われてしまうかと思ったけれど、確認して来た弥生さんは何だか嬉しそう。弥生さんも私の付ける印が欲しかったの?
「私も、付けていいの?仕事で怒られたりしない?」
「ええ、見えない場所なら。渚、今度は貴女が私のシャツを脱がせてくれますか?」
弥生さんはシャツの襟を指で摘まんで、私に早く脱がせてと言うように急かす。弥生さんがそういう表情をすると、とても色っぽい。どうしてこんな風に私を惑わせるの?
私は緊張しながらも、ゆっくりと弥生さんのシャツのボタンを外していく。そっと彼からシャツを取ると、弥生さんは自分でタンクトップを脱いだ。
弥生さん両手を広げて私を抱きしめて、そのまま私を上に抱いたままベッドへと寝転ぶ。
「さあ、渚はどこにつけたいですか?好きな所にどうぞ。」
私は上半身を起こして、弥生さんの裸の上半身を見つめる。いくつもの傷のある上半身を弥生さんはもう私には隠さない。
「どこでもいいの?本当に。」
「ええ、渚の付けたい場所につけて欲しいのです。」
私はそっと上半身を下げて弥生さんの左胸の上に吸い付いた。キスマークなんてつけたことが無いから、上手くいくか分からないけれど。
弥生さんがやっていたように、強く吸いついてゆっくりと唇を離す。やっぱり弥生さんみたいに上手くは付けられなかったけれど……
「ごめんなさい、私下手だわ……」
「何度でも私で練習すればいいんです。これからずっと一緒にいるんですから。」