Don't let me go, Prince!


 シュン君と握手をして別れ自宅へ帰る。急いで出たから母に何も言わなかったから心配してるかも。
 リビングで母にシュン君の事や四ツ谷先生の事を話す。

「四ツ谷先生?美形で凄くいい先生だって有名なのよねぇ。」

「そうなの?確かに美形だったけれど、変わった先生だったわよ。彼から電話番号もらったけれど、どうしよう……?」

 私がどうしていいか分からずため息をつくと、母はキラキラした瞳で私を見てる。ねえ、どうしてそんなに期待で満ちた瞳をしているの?

「電話番号……?クールで女性に興味がないって噂の四ツ谷先生から、電話番号を教えてもらったの、渚。」

「な、なによ、もらったら問題あるの?」

 だって渡されたんだもの。本当に私がもらっていいのか分かんないけれど、シュン君のママは私がもっておくべきと言って譲らなかった。

「四ツ谷先生に、電話するの?」

 母がニヤニヤしながら聞いてくる。ヤダなあ、余計なこと話しちゃったかも。こういう話お母さん好きだからなあ。

「分かんないよ、だってあの先生と何話していいかわかんないし……」

 私は割とだれとでも気軽に話せるほうだけど、あの変わった先生に何を話せばいいのか分からない。あの低い声は少しだけ聞きたいんだけれど……

「アンタの電話……待ってるんでしょうねぇ。夜にでもかけてあげればいいじゃない。」

 簡単に言ってくれちゃって、そんな気軽に話せるような雰囲気の男性じゃなかったわよ。でも、本当に私が電話をするのを彼は待っていたりするのかな?
 どうして私なのかしら?……今日、少しだけ話しただけなのに。

「うん、考えてみる……」



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