Don't let me go, Prince!
「でも……隣の部屋の明かりが……」
寝室の照明はついていないけれど、開け放たれたままのリビングの明かりがこちらの部屋まで漏れてきている。
「これくらい明るい方が、渚の綺麗な体をじっくり見る事が出来ますからね。」
「や、弥生さんっ!」
頼めば部屋のドアを閉めてくれるかと思っていたのに、弥生さんにはそんな気はないようで。
「肌を見てもいいでしょう?貴女は私の妻なのですから。」
そんな艶っぽい表情をして見つめられたら、駄目なんて言えない……狡いわよ、そんな言葉で私を喜ばせて抵抗出来なくさせてしまうんだもの。
「好きにして……?」
私は俯いたまま、弥生さんにそう返事をする。とても恥ずかしくて、これが私に出来る精一杯なのよ。
「では私の好きにさせてもらいますね?」
弥生さんは慣れた手つきで私の上半身を浮かして、背中のファスナーを降ろすとあっという間に私からワンピースを取り去ってしまう。
下着姿のままベッドに押し倒されて、これが初めてという訳でもないのに私の心臓はバクバクと音を立てている。
「渚はいつ抱いても、初々しい感じがしますね。私に抱かれるのは……そんなに緊張しますか?」
「緊張するわ……だって抱き合うときに私はいつも弥生さんに良いように翻弄されてしまっているんだもの。」
そう、私の身体に触れる時の弥生さんは、いつも強引で少しだけ意地悪なの。