Don't let me go, Prince!
「わあ、こんな綺麗な夜空が見ることが出来るお風呂なんて素敵ね。」
弥生さんと二人で露天風呂。ここは自然豊かな所だからかしら、星がとてもよく見えるの。
2人で入るのはまだ恥ずかしかったけれど、結局弥生さんのからお願いされるとイヤとは言えないのよね。
「本当に綺麗ですね、これなら何時間でも見てられそうです。」
もしかして弥生さんは星を見るのが好きなのかしら?知らなかった弥生さんをまた一つ知る事が出来て嬉しい。
「ふふふ。それはいくら何でも逆上せちゃうわよ、ほどほどにしましょうね?」
「そうですね、ここならば流れ星も綺麗に見えそうですね。もし、流れ星が見えたら渚は何を……え?」
「あ、流れ星!」
弥生さんが何かを言いかけたところで、本当に空に流れ星が!
「願いごとを三回」と思ったけれど、祈る前あっという間に空に消えていってしまう流れ星。
「……お願い事、出来ましたか?」
「ちょっと無理だったわね。弥生さんは?」
そう聞き返すと「驚いてしまい、何も」だそう。冷静沈着な弥生さんも流れ星で驚いたりするのね。
もし……今願い事が叶うとしたら、ちょっとだけ新しい家族が欲しいと望んでもいいのかしら?今はまだ弥生さんの気持ちの準備が出来ていないでしょうけれど、いつの日か私と弥生さん二人の宝物を……
「私のお願い事を叶えてくれるのは、流れ星ではなく貴女だと思うので。」
「どういう事?」
不思議に思って聞き返したけれど、弥生さんは後ろから私を抱きしめるばかりで結局教えてはくれなかった。