―番外編―皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします
「私に靴? それはどんなお話しなの?」
首を傾げると、ヘンリーが包んでいた私の右手をゆっくり口元に運んで、手の甲にふわりとキスを落とした。
ひゃっ! 思わず叫びそうになったけれども、レディだから頑張って耐えた。
「大切な大切な、お話です」
大切な、おはなし?
眼鏡の向こう側で、いつものようにヘンリーはとっても魅力的に微笑んでくれた。
なんだかわからないけれど、それはとっても、とっても、素敵で幸せなお話のような気がした。