―番外編―皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします

私よりも4つ上のヘンリーは、とっても大きい。知らないうちに、私の頭の上から、膝の上の本を覗き込んでいた。

カバーをかけているから、中身までは見られていないと思ったけれど、ちゃんと見ていたんだ。

字を読めるくせに絵本だなんて、おかしいかな? それも童話だなんて、今更恥ずかしくなってきた。

こちらを見つめる透き通った空色の瞳をじっと伺う。


「もしかして、子どもっぽいかな?」


とっても10歳には思えないくらいしっかりしたヘンリーだ。子どもは嫌いかもしれない。でも私はまだ子どもだし。

どうしよう。なぜだか不安になる。

< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop