―番外編―皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします
私よりも4つ上のヘンリーは、とっても大きい。知らないうちに、私の頭の上から、膝の上の本を覗き込んでいた。
カバーをかけているから、中身までは見られていないと思ったけれど、ちゃんと見ていたんだ。
字を読めるくせに絵本だなんて、おかしいかな? それも童話だなんて、今更恥ずかしくなってきた。
こちらを見つめる透き通った空色の瞳をじっと伺う。
「もしかして、子どもっぽいかな?」
とっても10歳には思えないくらいしっかりしたヘンリーだ。子どもは嫌いかもしれない。でも私はまだ子どもだし。
どうしよう。なぜだか不安になる。