突然の夕立、びしょ濡れの先輩と雨宿り
1.空を見上げた


 放課後、私は学校を出てすぐに空を見上げた。



 垂直に発達した濃い灰色の積雲。

 圏界面に達する巻雲が水平に広がり、全形が朝顔状や鉄床状になっている。

 雲底は乱層雲のような形になっていて、嫌な雰囲気。


 ちかづいてくる積乱雲を気にしながら、通学路を歩く私。

 湿度の高い風で長い髪が靡くので、毛先を手で押さえる。

 遠くからゴロゴロと雷が鳴る音が聞こえてきて、気が気じゃない。


「雨が降る予定じゃないのに……」


 などと、ぶつぶつ文句を言ってる最中。

 ポツポツと小さな水滴が肌に当たるのを感じた。


「お天気お姉さんのウソつき!」


 大きな声を張り上げて、文句を言いながら走り出す。




 先輩と運命的な出会いが、始まることも知らずに……







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