突然の夕立、びしょ濡れの先輩と雨宿り


 顔見知りの同級生や、クラスメイトに挨拶しながら通学路を歩き進む。


 国道にあるバス停から少し離れた所に、通ってる高校がある。

 私が本当に入学したかった高校は、この国道の先にあった。


 バス停で二つほど行った場所、共学の進学校でスポーツも盛ん。

 中学の時に怪我で陸上部を止めてしまった私には、無縁の高校。

 今は、この女子校で平凡な学校生活を過ごせてるから未練はない。



 と、言ってしまえばウソになるかな……



 高校三年生になる先輩は、元気にしてるのかなって考える事もあるからだ。


「はぁ~」


 学校に向かって歩きながら溜め息をつく私に、クラスメイトの子が言ってくる。


「こらぁ~! 溜め息をつくと幸せが逃げてくぞ~!」


 その言葉にカチンときた私は、嫌みったらしく何度も溜め息をついて見せた。


「はぁはぁはぁはぁ……」


 夏美ちゃん、ハアハア興奮しててウケるんですけど~! と大声で言われてしまう。



 二学期早々、クラスメイトの子に大笑いされてしまった……





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