突然の夕立、びしょ濡れの先輩と雨宿り
体育館に全校生徒があつまって、校長先生の長い話を聞かされた。
その後、教室にもどって学級会。
二学期からの心構えと生活スタイル、学生らしく勉強に励むよう力説する担任教師。
若い男の先生なので、クラスメイトの中には好きだと言ってる子もいる。
でも、窓際の席に座る私は興味がない。
机に頬杖をつきながら、横に顔を背けて外を見つめてる。
「渡会 夏美! 聞いてるのか!」
担任教師が怒鳴るように、私の名前を呼んでる。
「はい、ちゃんと聞いてますよ」
「じゃあ、それでいいな」
「はい……」
ほんとうは上の空で、先生の話を何も聞いてなかった。
なんとなく返事をしたのだけど、それが裏目に出てしまう。
「昼からの役員会議、たのむぞ」
今日は夏休み明け初日なので、午前授業になっていた。
一年生の学級委員が集まる合同の会議に、どうして私がって思ったけど。
委員長と副委員長が用事で帰るらしく、書記の私が一人で出席って、どういうこと?
そもそも、名前だけで学級委員らしいことなんてしたことないのに!
先生の話を聞かずに、軽く返事をした私が悪いけど……
一人で会議に出席だなんて、不安でいっぱいだよ……