突然の夕立、びしょ濡れの先輩と雨宿り


 女の子ばかりだと、気を使わなくてもいい。


 男の子に見られたくない行動は、学校を出たら注意するようにしてる。


 昼休みが終わって、教室を移動する。

 各教室の学級委員が集まる隣のクラスで会議が始まった。


 わかってるけど、全員女子。

 しかも、各クラスの学級委員と副委員長がそろってる。

 書記の私、一人だけで参加してるクラスは他にない。


 みんな、昼から用事で出席できないからしかたないよね。

 書記という名前だけで、何もやってこなかった私が文句なんて言えないよ。

 といっても、議題に対する発言はしないで、ただ聞いてるだけ……


 代表議長が黒板に書く内容を見ながら、私は紙に書き写つす。

 後日、クラスメイトの委員長に会議の内容を報告して色々と判断してもらう。

 会議も終わりに近づいたところで、先生が教室に入ってきて生徒たちに声をかけた。


「雨雲が近づいてるから夕立がくるぞ、会議を切り上げて帰宅しなさい」


 時計を見ると午後3時を過ぎていた。

 ちょうど終わるところだったので、解散することに。

 私は書類を胸に抱えて自分の教室に戻り、窓際から外を見上げる。


「えっ、さっきまで雲ひとつない晴天だったのに……」


 急いで机の中に書類を入れ、私は帰り支度をはじめた……





< 9 / 29 >

この作品をシェア

pagetop