ラブ・ボイス
1人で部屋に突っ伏していると、いつの間にか日が暮れていた。
「あれ。もう夜…?」
「いつまで寝てんだ。」
ハッと目を覚ますと、そこには
「翔…。」
また、部屋に勝手に入って!と、怒ろうとしたけれど、
いつになく、真剣で、
どこか迷っているような表情の翔に
思わず、黙ってしまった。
「あのさ…」
翔が目線を落としながらわたしに言う。
「嫌なら別にいいんだけど…」
「うん?」
「いや、あの…」
珍しく、煮え切らない様子の翔。
「なに?はっきり言ってよ」
「うん、あのさ…
お前に会いたいって人がいるんだ。」
…え?