ラブ・ボイス


スタジオ、と呼ばれる場所に入り、

スタンドマイクに顔を近づける。


ふと隣を見ると、ガラス越しに、不安そうな翔と目が合う。

翔…わたし、できるかな…。


「では、本番行きますー!3.2.1…」


スタッフの人の掛け声とともにaiのYOUという曲のイントロが流れ出した。


わたしは息をそっと吸い込み、

そして、

歌ったのだ…。


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