ラブ・ボイス
2人して家を出る。
「そんな格好して、初日から先生に怒られるんじゃない?」
翔の着崩した制服や、髪型を指差して言うと、
「大丈夫だろ。うちの学校ゆるいらしいし。」
相変わらず、余裕のようだ。
だけど、高校生にもなってこうして一緒に登校するだなんて、なんだかちょっと恥ずかしい。
「ねぇ、ここから先は別々に行かない?」
おそるおそる提案してみると、
「お前が絶対迷わない自信があるならな」
意地悪な返事が返ってきた。
翔にはどうしてこうも敵わないんだろう。