ラブ・ボイス
「よっ!翔」
「翔おはよー!」
校門のすぐそばまで着くと、
みんなが駆け寄ってくる。
人気者なのはわたしではなく、もちろん翔の方。
翔を中心に、すぐに人の輪ができるのは、いつものこと。
「じゃ、ここでな。」
「うん。」
翔と別れ、たくさんの人に囲まれながら笑う翔を見ていると、なんだか心細くなってしまった。
「いいなー。初日からあんなに友達がいて。わたしはぼっちかー。」
「何一人で呟いてんの?みゆ!」
振り向くと、そこには中学からの親友の中野真波(なかのまなみ)がいた。
「まなみー!」
まなみの顔をみたら、寂しさなんて吹っ飛んだ。
「私たち、また同じクラスだったよ!」
「えっ!ほんと!うれしい〜!」
喜びのあまり、まなみに抱きつくわたし。