ラブ・ボイス
それは、夏休みを目前に控えたある日の放課後ことだった。
「美優、ちょっときて!」
まなみが窓の向こうを指差しながらわたしを呼んだ。
「なにー?わたしこの後先生に呼ばれてるんだけど」
「いいから、ほら!」
まなみの指さした先には、翔。
それから、女の子が。
「これって、告白現場じゃない?」
にやにやと笑いながらまなみが言う。
わたしは2人の姿をじっと見つめた。
女の子の方は、ミルクティーのような髪色に、ふわふわとしたロングヘア。真っ白な肌。
かわいい子だ…。
まなみの言う通り、もし翔が告白されてるんだとしたら、二人は付き合うのかな…。
「…みゆ?」
まなみの声にハッとする。
「と、とにかく!先生のところに行かなきゃ!」
「あっ!ちょっと、みゆ!」
わたしはダッシュで教室を飛び出した。