ラブ・ボイス
「なんで、こんな嫌なのかな」
悶々とした気持ちでその日を過ごした。
翔が誰かと付き合う。
そんなこと今まで考えもつかなかった。
なんでだろう。
そりゃ、翔だったらモテるよね。
彼女がいても、おかしくない。
なのにわたし、なんで今まで
そんな当たり前のことも考えてこなかったんだろう。
また、だ。
翔ばかり、大人になっていく。
わたしはまだ恋もしたことない。
いつも翔に甘えてばかりだ。
悔しい。