ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「動かず俺に合わせて。」



マリアには聞こえないほど小さな声で呟く。



両手を頬に添えられたまま、ルイの顔が視界を覆う。




無理。これ以上はほんとに。



と思ったら、マリア側ではない親指が私の口に触れてその上からルイの唇が重なる。




「これでもまだおわかりいただけませんか?」




「…もういいわ。

あなた達の顔を見たくない。」




マリアは顔面蒼白って感じで私達と視線が合うことはなかった。






そして、帰りの馬車でルイの謝罪が止まらないこの状況に戻る。



これはどう考えてもやり方が汚い。



もう、令嬢として振る舞えて疑われることはなかったから怒りは治まっている。
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