ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
***



「今更、仮病を使ってデスラスト王国へ行かないとは言うまいな?」




一言目から皮肉。


やっぱり私を娘と思っていないんだ。

扱いは道具に近い。



国王は、本来ならルミナスと共に座る玉座へ1人で座る。





「人を追い出しておいて今更都合よく、連れ戻すから疲れが出たんじゃないかしら?」




「口を慎め。

ティアナを呪殺した貴様をすぐにでも、自らの手で葬りたいのを我慢してるんだ。

明日には使いの者が迎えに来る。

罪を償い、貴様の命でこの国を守れ。」




よく言う…。

あんただって村1つ見殺しにしたくせに。




「明日のことはわかったし今更行かないとは言わない。

私が災いを齎すことも否定はしない。

だけど、これだけは言っておく。

母は病気なんかじゃない。」




「どういうことだ。」




眉間に皺を寄せていた眉をピクリと動かす。



「あんたが追放したせいで…あんたが激戦地だった村を見捨てたせいで…っ!

アルラーナ村にいた母は戦いに巻き込まれた!

死ぬ最後まで母はあんたの事を想ってた。
私にあんたを恨むなと言った!」



冷静に言うつもりだったのにそれは今の私には無理な話だ。



大切な人を失ったのに…。
どうして恨んではいけないのか理解に苦しむ。




「母はあんたの事を許しても、私は絶対に許さないから!

ルミナスに王の座を譲ってあんたも罪を償って。」




「貴様、災いを齎すだけでなく嘘までつくのか。」
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