ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「嘘じゃない!

ペリドットの石を持っていたから狙われた。

追放せずここにいたら、今まだ生きてた!」




叫びに近い声で怒鳴り散らす私。


自分ではもう怒りを止めることは出来なかった。



「おい、そこにいるならそこの嘘つきを連れ出せ。」



私たちの話を聞いていた誰かが、王の玉座の裏から出てくる。



その誰かはアランだった。



そっと手を掴まれて、部屋へと連れていかれる。



その手は優しくて温かくて、いつもなら抵抗していたはずなのに。




「生きてた…。」




部屋に入るなり抱きしめられて、悲痛の叫びが耳に残る。



生きてた…って?




「私はずっと生きてるけど。」




「俺はお前をずっと探してた。

アルラーナ村の人々は全滅していたと聞いたし目にした。」




「私だけ生き残っちゃったの。」

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