ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
本当に…どうして私だけ。



記憶を思い出せばアルラーナ村は、悲惨な状態だったことが鮮明に映される。



戦う力を持っていない女性や子供まで次々と、無惨に命を奪う闇の騎士。




「もう、絶対に危険な目に合わせない。

ルチア、15年前の約束を果たす。」




「何言ってるの?私たちが初めて会ったのは1か月前でしょ。

それに約束なんてした覚えないわ。」





「忘れてたっていい。

俺がちゃんと覚えてるから。」



なに…それ。


まるで私たちが15年前に会ったことあるような口ぶり。


それに、あの会話を全部聞かれたらまずい。


「ねぇ、さっきいつからあそこにいたの?」




「アルラーナ村にいた前ルミナスが戦いに巻き込まれたぐらいの頃だな。」




なら、私の口からお別れをしなきゃ。



「私、何でここに連れ戻されたと思う?」



「……?」




「またここでずっと暮らすことでも、ルミナスと一緒にこの国を守っていくことでもない。

私はルミナスの力が不完全のレイになり、デスラスト王国に行くため。」




「死にに行くのか?」




あれ…思ったより冷静?


彼は顔色1つ変えない、



「そう。それがこの国を守れる唯一の方法。

まだいつ敵国へ行くのはわかってないけど。」



明日行くことは伏せておく。

確か、彼は明日国境付近に偵察に行かなくてはならないのを耳にしていた。
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