ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
「お前の命1つでこの国を守れると本気で思っているのか?」



「思ってる。

ルミナスを引き渡せばこの国には手を出さない条件だし、そのルミナスに私がなれば災いを齎すものはいなくなる。」




「お前がいなくなっても戦いは終わらねぇし、不幸事も起きるし、人も死ぬぞ。」




…っ!


今日のアランは何か違う。




「そんなのわからないでしょ。」





「本心を言えよ。

俺は、誰よりもこの国を守りたいともがいて苦しんでいるのを知っている。

1か月間、1番俺がお前の傍にいたんだ。」





「守ろうと頑張ったし努力もした。

でも、災いを齎す存在がいるだけでどんなに頑張っても人は傷つく!」




「災いなんて齎さねぇよ。

昔、上層部の逃げ道で広まった噂だ。
本当はわかってるだろ?」




なら、どうして私は嫌われているの?

どうして城から追放されたの?

どうして…っ!



「俺は、ルチアが災いを齎すなんて1度も思ったことがない。」



「どうしてそんな事言い切れるの?

他の大人達は私が齎すと言っているのに。」




「お前といた俺が不幸と感じたことがないから。

いつも笑っていられたから。」




…っ!?


もう、それ以上言わなくていい。


判断が鈍ってしまう。
今更後戻りなんてできるはずないのに。
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