ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
捨てようと思って捨てきれなかった感情を鎖で巻つけていた。



その鎖が彼の言葉で解けた気がした。


「あんたの言う通り…傷つくのが嫌だったのかもしれない。

私の目の前で多くの人に災いが起きて、悲しむ姿を見るのが辛かった。

お母様のように強く大切な人達を守ろうとしても、私が傷つけてしまう。


私に誰かを守る力なんてない…!」



悔しい…っ!

ただ今は泣くことしかできないなんて。



「確かに、お前の前で偶然不幸事が起きていて、自分自身が本当に招いていると思う状況が多かったのかもしれない。

だがそれは、お前がいなくてもある。

お前の存在を否定する人も見てきたが、その存在に助けられてるやつもいる。」



「私の存在が…?」



「困っている人がいれば必ず手を差し伸べる。

悩んでいる人がいれば、そいつが1番欲しい言葉を言ってくれる。」

< 167 / 168 >

この作品をシェア

pagetop