ルミナス~双子の王女と7人の騎士団長~
できることなら、敵国へ行かず平和になる道を歩みたい。




今の現状は私が行って止めなくてはならない。




オニキスを…。




前の私に戻って。感情を抑えて。表情に出さないで。




「どれだけ引き止めても私の考えは変わらない。

1ヶ月間ありがとう。」




本当は引き止めてくれたことが嬉しい。


もう、暗闇の中にいた私じゃない。



彼らと1度向き合い、また踵を返して外への扉に向かう。




「待ってよルチア!!

本当に考え直してくれないの?

私たちの1ヶ月間は、そんなにすぐに断ち切れるものだったの?」



そんなわけない…。

何度も考えた。


簡単に断ち切ることができなかったから、今日まで苦しんだ。



私の覚悟を…まだルミナス達に知られる訳にはいかない。




「今日まで何度も考えた。

それでも、デスラスト王国へ行く。

1ヶ月間、私を見てくれてありがとう。


じゃあ…“いってきます”」



自分でも酷いと思う。


ちゃんと事実を告げずに行くのだから。



今の私はちゃんとここへ帰ってくる自信がある。



必ず…戻ってくる。
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